「ネット非公開物件ならチャンスがある」と思い動き出した専業主婦の私。
ボロ戸建て投資に憧れた結果、
待っていたのは投資家たちの熾烈な争奪戦と現実でした。
未公開物件は“秒”で売れる世界
「これは、出した瞬間に電話が鳴り止まなくなるから。」
ある日、上司がそう言って見せてくれたのは、預かったばかりの“未公開物件”の資料でした。
住所、土地の広さ、築年数、間取り、売主の背景。
そして、まだ誰にも知られていない販売価格。
パートとして働いていた私は、この資料を会員向けメールで配信する役割でした。
朝9時過ぎに送信すると、わずか10分も経たないうちに電話が鳴り響きました。
「それ、もう売り止めですか?」
「今から現金持って行けます!」
「内覧できるのはいつですか?」
…え? 今、送ったばかりなのに?
その瞬間、私は投資の“リアルな熱”を初めて肌で感じたのです。
ボロ戸建て投資に夢を見た主婦
YouTubeでも多くの人が紹介している「ボロ戸建て投資」。
安く買ってDIYし、家賃収入を得る。地方なら100万円台でも買えることもある。
家にいる時間が長い主婦でも頑張ればできるかもしれない——。
そんな風に思って、私は動画やブログを読み漁り、間取り図とリフォーム費用を見比べて妄想を膨らませていました。
そして思ったのです。
「これ、私もやってみたい」と。
現実は“現金一括”の奪い合い
しかし現実は甘くありませんでした。
ネットに出ている物件はすでに“出遅れ組”。
未公開の段階で、「現金で買いたい」と何十人もの投資家が動いている世界です。
価格交渉どころか「値上げしても売れる」という強気の売主さえいました。
資料を配信すると、遠方から飛行機で見学に来る人や、海外投資家から通訳を介して問い合わせが来ることも。
しかも、多くの投資家が現金一括で購入しようとしていました。
私のように「初めての投資だから少しずつ…」という考えでは、
最初から“席すら用意されていない”のが現実だったのです。
ボロ戸建て投資が合わない理由
物件情報はあっても、買えるチャンスがまわってこない。
「現金で買える人じゃないと、勝負にもならない」
「安く買ってDIYすれば…なんて、もう幻想なのかも」
そう思い始めた頃には、ボロ戸建てへの熱も冷めかけていました。
さらに、転勤族の妻という立場も不利でした。
ボロ物件は自分で管理・修繕し、現地に足を運ぶ必要があります。
引っ越しのたびに“投資ごと置いていかれる”感覚になりそうで、
「やってみたいけど、生活に合わないかもしれない」という葛藤が胸にうずまいていました。
転機は「夫の幼なじみの一言」
そんな時、人生を変える出会いがありました。
数年ぶりに再会した夫の幼なじみが、何気なく言ったのです。
「え?アパート買えばいいじゃん。ローン組めばさ。公務員なら余裕でいけるでしょ?」
この一言が、私の世界を大きく変えていくことになります。
次回予告
次回は「アパート投資との出会い」について。
ボロ戸建てを諦めかけた私が、どのようにしてアパートオーナーへの道を開いたのかをお話しします。